Yoko Yoshida

Interviewer Back number Interviewer=Tomomi Watanabe photographs=Nobuyuki Sasaki
HOME INTERVIEW > Interview File10
目の前にあるしたいことやすべきことを全うしていった先に、自然とキャリアは作られていく。私はきっとそういうタイプなんですよね。
※掲載のインタビュー記事は、ポーターズマガジンVol.10(2011年5月)から抜粋したのものです。
※会社名、所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。
インタビュー場所の会議室は早々に“吉田色”に染まっていた。
一見ごく普通の若手女子社員といった印象の吉田。
しかし内に秘めた積極性と好奇心が、言葉と一緒に次々と溢れ出したのだ。
面談にやって来た求職者が、リラックスして相談する様子が目に浮かぶ。
そんな吉田に仕事の取り組み方からプライベートまで話を聞いた。

社内コミュニケーションが成果に結びつく

「うーん、成約のイメージが浮かぶかどうかですね」
 少し考えた後、吉田は口を開いた。09年度は見事に年間の売り上げ目標を達成。今年も昨年を上回るペースで成約を決め続けている吉田に、好成績の秘訣について質問したのだ。
「先週オープンしたばかりなのに今週にはクローズになるなど、求人の動きは本当に激しい。なので、注力できる求人企業をまず見極めます。その後に成約のイメージが浮かぶ求職者の洗い出しを行いますね。いらっしゃればそのままご紹介しますが、そうでないときは求職者のスカウティングをしたり、RAと連携して他に注力できる求人を探したりします」
 シンプルなことしかしていませんよ、と吉田は笑顔で付け加える。彼女の仕事ぶりの特徴は、とにかくマッチングの精度が高いこと。毎月成約見込みの案件を8〜9件挙げ、そのうち5〜6件が当月中に成約している。中期的に見れば、ほとんどが成約に至っているのだという。月間の成約件数は平均5〜6人、売り上げは前期(2009年10月〜2010年9月)が約3300万円、今期(2010年10月〜)が約2500万円という数字からもそのすごさが分かるだろう。
 話しながら表情がコロコロ変わり、飾らず親しみやすい雰囲気の吉田からは、トップコンサルタントというよりムードメーカーのような印象を受ける。そして実際、自分ひとりで成果を挙げていることを否定し、周囲とのコミュニケーションを大事にしていることを明かした。
「自分ひとりではどうしても限界があるので、社内コミュニケーションはすごく大切にしています。例えばRAと話しているうちに『こんな視点もあるんだ』『こういう切り口もあるんだ』という気づきを与えられて、それが成約に結びついていると思いますね」
 何かあればすぐにRAに相談をする一方で、「吉田なら決めてくれるはず!」という期待と信頼でRAから求人企業を紹介されることもしばしば。持ち前の人柄を発揮して、風通しの良い環境を完全に築いているのだ。分業制の場合、意思の疎通がうまくいかないとデメリットとなってしまうが、連携をきちんと取れば1+1が2以上になる。そのお手本のような例だ。
「頑固に自分のやり方を貫き通すコンサルタントもいますが、吉田は色々な意見を柔軟に取り入れて、自分の中で噛み砕いた上でアウトプットするタイプです。その辺も成果に繋がっているのでしょう」とコメントしたのは、インタビューに同席した同社社員。吉田は少し照れたようにはにかみ、場の空気はますます和んだ。

「企業や求職者のため」という気持ちはどこに?

 吉田が人材業界を志したのは大学生の頃。留学やバックパッカーで何度も海外に行った経験が原点にある。日本人は勤勉で優秀と言われているが、海外を放浪した吉田が出会ったのは、仕事に対する日本ではなかなか出会えない価値観だった。
「多くの外国人は自分のしたい仕事を選んでいます。少なくとも、お金のためだけに仕事を選んでいる方はほとんどいません。ハッピーに働けているかどうかで、その人の人生がハッピーか決まるくらい大事だと思うようになりました」
 自分自身も好きな仕事を選びたいし、人が好きな仕事に出会うサポートもしたい。そう考えて吉田は人材紹介会社に就職。ITチームにRAとして配属されるまでは良かったものの、課せられたのは2週間の飛び込み営業キャンペーン。辛くて泣いたこともあり、さすがに音を上げそうになったと吉田は苦笑しながら振り返る。  その後も成果を上げるために、わき目も振らずRAとして働く中で、現在の吉田に大きな影響を与えた出来事があった。
「担当していたクライアントから、求職者に内定を出したと連絡があったんです。ただ求職者側が即決したくない様子だと聞かされたので、では面談をセッティングしてくださいと人事の方にお願いしました。面談をすることで、求職者が入社の意向を固めてくれれば良いなと思ったんです」
 要望通り面談は実施された。が、求職者が入社に至ったのかどうか、吉田は覚えていない。ショックな出来事が起きたため、まるで記憶に残っていないのだという。
「後日、企業から私の上司宛に電話があったんです。担当者を変えてくれ、とのことでした。吉田さんの熱意は分かるけど、やり方があまりにも一方的だと」
 実は企業の人事担当はまだ新人。面談をして欲しいと迫る吉田に圧倒され、言われるがままに実行したものの、その経緯が強引と取られてクレームとなったのだ。吉田はショックを受けると同時に、改めて自分を見つめ直すこととなった。
「契約を決めたいがために、独りよがりになっていたことに気づきました。企業や求職者のためと思っていたはずなのに、その気持ちはどこに行っちゃったんだろう……ってすごく反省しましたね」
 けれど、今ではその出来事があって良かったと思います。吉田は優しい表情でそう言った。
2次へ
吉田陽子

吉田陽子(よしだ・ようこ)

2008年、毎日キャリアバンク入社。IT業界専任のキャリアコンサルタントとして転職者をサポート。前職から数えると6年のコンサル経験を持つ。「目の前の仕事に全力で取り組む」を信条に、トップコンサルタントとして常に高い結果を出す。若手社員の教育にも積極的で、チームリーダーとしての役割を担っている。

[Corporate profile]

株式会社 毎日キャリアバンク

2006年10月設立。様々な企業や団体の発展・成長・変革を支援するパートナーとして、人と組織のニーズに最速で応える「人材紹介サービス」「人材派遣サービス」「再就職支援サービス」を通して社会貢献を行うのが使命。「顧客満足至上主義」をモットーに価値ある「出会い」を創造し、共にその成長・成功を喜びあえる信頼関係を築き、必要な存在であり続けるため自らの進化に挑戦し続けている。