Takamichi Takamoto

Interviewer Back number Interviewer=Tomomi Watanabe text=Kazuyuki Koenuma photographs=Nobuyuki Sasaki
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“やりきる男の哲学 目の前のことを一生懸命やることで必ず道は開ける”
※掲載のインタビュー記事は、ポーターズマガジンVol.11(2011年8月)から抜粋したのものです。
※会社名、所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。
精悍な顔立ち。スマートに着こなしたシワ1つないスーツ。愛読書は「マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック」。いかにもデキる男のオーラを放っている外見だが、口を開けばざっくばらんとした関西弁が飛び出し、たちまち場の空気を和ませる。知性と思慮深さを併せ持ちつつも、同時に「転職とは最終的に覚悟」と言い切る情熱家でもあるトップコンサルタント・高本尊道の素顔に迫った。

エグゼクティブ人材の流動化を促進する目的で創業

「何をお話すればいいですか? 何でも聞いてくださいね」
 そう言って浮かべる人懐こい笑顔に、好印象を覚えない人はいるのだろうか? 愛想笑いでも作り笑いでもない、相手との距離をたちまち縮めてくれるその笑顔は、無機質な会議室でさえも居心地のよい空間に早変わりさせる。
 高本は学生時代、自らベンチャー企業を起こし、人材業界大手のパソナに入社。営業、事業企画で約10年間働いた後に、数人の同僚たちと創業したのが現在のプロフェッショナルバンクだ。社名の通り、プロフェッショナルなエグゼクティブ人材に特化した紹介事業を行っている。
「パソナでは主に女性や若手を中心とした人材事業を行っていましたが、当時業界を見渡すと、30〜40代のマネジメント層の流動化が確立されていませんでした。一方で、アメリカではその層の流動が日本と違って盛んです。日本でもエグゼクティブ人材の流動化を促進させたい。そんな目的で、2004年10月にプロフェッショナルバンクを立ち上げました」
 仕事の話になると、高本の表情は精悍なそれに変わる。堂々とした語り口からは、頼もしさと信頼感が溢れている。コンサルタントとしての高本は、自身が事業企画を行っていた経験から、事業企画、経営企画、経営ブレーン層の紹介には絶対の自信を持っているという。さらに、パソナで派遣事業にも携わっていた経験も、現在の紹介事業で大きく活きているそうだ。
「私たちは人材派遣の営業を経てきたメンバーがほとんどです。ですから、求職者に対してウェットに接することができるのですね。通常、紹介業は成約を終えると『さよなら』となりがちですが、派遣は成約後のフォロー業務が全体の6割ほどあります。人材をモノではなくきちんと人として見て、相手の立場に立って接してきた経験がすごく役立っていますね」
 高本をトップコンサルタントへ導いた要素は、積み重ねてきた経験だけではない。プロフェッショナルバンクでの業務を通じて出会う企業や人材との交流が刺激となり、自然と自分磨きを心がけるようになったのだという。
「日頃私がお付き合いしている人はプロフェッショナルな方が多い。キャリアカウンセリングを通じて知り合い、転職をしてからも知人としてお付き合いしている方もたくさんおります。皆様素晴らしいキャリアや実績を築かれている人ばかりなので、私たちが浅薄な知識しか持っていないと信頼していただくことができません。常に勉強しながら成長させてもらっていますね」
 人が人を育てるという言葉があるが、互いに切磋琢磨しあうことで、プロフェッショナルがプロフェッショナルを育て上げている。人材業界で20年近い経験を積んでも、トップコンサルタントと呼ばれるようになっても、決しておごらずに向上心を持ち続ける姿勢こそ、高本の大きな強みなのかもしれない。

転職は、最後は「覚悟」を決めて判断する

 プロフェッショナルバンクを創業してから、高本が一番最初に成約した案件。それが、いまだに忘れられない感慨となって胸に残っているのだという。求人企業は大手メーカー。当時大きな負債を背負い、産業再生機構によって再生支援を受けていた会社だった。
「日本全体の景気が低迷しているときでした。再生案件に紹介を行うことで、日本の経済成長が回復する一役を担えたのはうれしかったですね。ちなみに私がご紹介した方はその後、関連会社の社長になって、成長戦略を実行し続けています」
 大企業だけではなく、人材を紹介したベンチャー企業が急成長していく様を見届けたこともある。
「社員が3人しかいないベンチャー企業に人材を紹介したことがありました。その方は、600万円の年収から200万円ほど下がってしまう転職となったのですが、入社した会社はその後の4年間で急成長して、今では社員数が約100人。紹介をした方は取締役になって、今では年収もかなり増えているようです。もちろん、その方が自分で覚悟を決めて入社を決めたのですが、その彼が原動力となって会社が100人規模に成長してIPOも視野に入ってきた。そこに関われたことは本当に忘れられない思い出ですね」
 会話の中に登場した「覚悟」という言葉。この言葉を高本は非常に大事にしているのだと語ってくれた。
「転職とは最終的に覚悟なんです。例えば不動産選びと一緒で、ドアの取っ手が好きじゃないとか、内開きなのが嫌だとか、100%満足できる物件に巡り合えることはほとんどない。転職も同じで、100%満足できる仕事に巡り合えないかもしれませんが、内定をもらう前から躊躇していては何も始まりません。面接を受けることにリスクはないのですから、どんどん受けるべきです。いざ入社してから合わない点は出てくるかもしれませんが、入社前からわかるわけはないので、覚悟を決めて判断するしかないのです」
 高本の言葉に力がこもる。彼自身、大手人材会社を退社し、新しく会社を立ち上げる際には、相当な覚悟が必要だったはずだ。大きなターニングポイントで経験した覚悟の大切さを、高本はときに厳しくキャンディデイトに伝え続けている。
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高本尊道

高本尊通(たかもと・たかみち)

学生時代からベンチャー企業を起こし、大学卒業後、株式会社パソナ入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、ソリューションコンサルティング担当マネジャーとして社内選抜部隊をまとめ、企業の外部リソース活用のための様々なビジネスモデルを構築。その後、営業企画、事業企画、新規事業開発責任者として合弁会社設立。アライアンス、デューデリジェンス、バイサイドM&A、BPRプロジェクトなど様々な業務を担当。同社の経営層のブレーンとして活躍。2004年プロフェッショナルバンク設立に参画。現在、同社常務取締役。

[Corporate profile]

株式会社プロフェッショナルバンク

2004年設立。プロフェッショナル時代に活躍が期待される人財に向け、充分にそのキャリアやポテンシャルを発揮できるステージを広く提供していくことが使命。クライアントは様々なステージにおいて活躍を続ける成長企業が中心。求人要件を満たすだけのプレースメントではなく、各々のプロフェッショナリティーを活かすことのできる転職(天職)先を探し、コーディネートさせて頂くことにこだわり続けている。