Takashi Ikematsu

Interviewer Back number Interviewer=Tomomi Watanabe text=Kazuyuki Koenuma photographs=Kenji Sakurai
HOME INTERVIEW > Interview File14
インタビューのテーマ | ,
クリエイティブ思想が拓いた未来。世界から日本、そしてまた世界へ。
※掲載のインタビュー記事は、ポーターズマガジンVol.14(2012年5月)から抜粋したのものです。
※会社名、所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。
絵になる男。それが、コンサルタント兼社長である池松と向き合ったときの印象だ。ファッション業界に特化したコンサルタントである彼が、ファッショナブルなのは不思議ではない。だがそれだけではなく、謙虚さや自信、情熱など内面からにじみ出ている人間性こそ、彼が絵になる理由である気がした。もちろん、コンサルタントとしても誇らしい成果を上げてきた彼に、仕事術からプライベートまで話を聞いた。

サーチはクリエイティブに考えることが必要

 今から約10年前、トップコンサルタントはアメリカのアイダホにいた。全米各地の古着屋を回って商品を買い付け、日本のバイヤーや古着屋に販売する。そんな人材コンサルタントとは無縁のビジネスを行っていたのだ。アメリカの大学に通いながら、古着を扱う会社でインターンとして働いた後、卒業後に独立。当時の日々を、池松は笑顔で振り返る。
「古着ビジネスはまるで宝探し。2ドルで見つけた商品が、日本では20万円でも売れることもあるんです。1600キロ離れたカリフォルニアのフリーマーケットに参加するために、バンで2泊3日かけて行ったこともありました。行きは車内がいっぱいになるくらい古着を詰め込んで、帰りは空になった車を満足しながら運転する。楽しくて仕方ありませんでしたね」
 早朝に起きて商品を探し、仕入れて販売。そして代金をいただくという、商売の原点であるサイクルが、自身の仕事感覚の基盤になっていると池松は言う。その後、ビザの関係で帰国した池松が出会ったのが、エグゼクティブ・サーチの専門会社CDSだった。
「ファッション・消費財に特化したコンサルタントを探していると、CDSの方から連絡をもらいました。人材ビジネスは全く知らない業界でしたが、ファッションという繋がりがあることと、面接官がとても魅力的だったことで、リサーチャーとして入社しました」
 先輩たちが手取り足取り教えるというよりは、自分で考え成長していくことが求められた同社。リサーチャーとして企業・人材開拓を行ううちに、池松はコンサルタントとしての能力が自然と培われていった。
「ターゲットカンパニーのことを調査し、どういう人がいてどういう役割を果たしているのか。どうサーチをするのが適しているのか。諦めずクリエイティブに考え続ければ、求める人材は必ず見つかります。それを繰り返し続けたことで、自分のサーチの方法ができあがったのです」

成約人数よりもどれだけの人と会うかを意識する

 その後はコンサルタントとして、ファッション部門の責任者に就任。店舗での販売スタッフや店長、本社スタッフやディレクターなど、ファッションに関するあらゆる職種のコンサルタンティングを行っていった。報酬は自分の売り上げによって決定する、完全な実力主義。池松はこの厳しさをモチベーションに変えて結果を出し続けた。心がけていたのは、成約人数を意識するより、会う人数をいかに増やすかだったという。
「人材ビジネスは確率論。一ヶ月にどれだけの人と会って、どれだけの人数を紹介できるかが大事です。そうする内に、何人と会えば何人成約するのかという目安も算出することができるからです。また、人材ビジネスにおいて大事なのは経験。何人の人と会ったかで経験は積まれていきます。そのため、工夫をしてターゲットといかに会えるかに注力していました」
 こんな成功例がある。クライアント企業が名指しで、あるブランドの販売員を欲しいと依頼してきた。電話をしても繋がらず、メール送っても返信がない。そこで池松は、実際に店舗に行って、ターゲット人材から数十万円もする商品を購入した。
「商品を購入したこちらはお客様。その後は、コンサルタントとしてではなく、お客様からの電話としてお話しする機会が得られたのです」
 結果、ヘッドハンティングは成功。会うために工夫をしたのも成功要因の一つだが、池松はそれ以上に「この人を紹介したいという思い」が大事だったと断言する。
「私の中では全てにおいてクライアントが軸です。依頼をくださるのも、料金の請求をするのもクライアント。そのため、いかにタイムリーで優秀な人材を紹介できるかを軸に物事を考えます」
 食事などを積極的に行って、クライアントとコミュニケーションを図るコンサルタントは少なくないが、池松の姿勢は正反対。優秀な候補者を探すことに時間を費やし、クライアントに紹介することが最上級のコミュニケーションだと断言する。もちろん紹介を行う際は、スクリーニングを徹底的に行うことも忘れない。結果、池松が紹介した人材は、内定率が非常に高いのが誇りなのだという。
2次へ
池松孝志

池松孝志(いけまつ・たかし)

1980年3月生まれ。広島県出身。米国アイダホ州にあるボイジー州立大学(インターナショナルビジネス専攻)卒業後、アメリカにてヴィンテージ古着ビジネスに従事。日本に帰国後、エグゼクティブを専門とするサーチ型人材紹介会社、CDS株式会社に入社し、リサーチャーを経験後、消費財&リテールチームにてファッション業界に特化したリテールビジネスの責任者を勤める。その後2008年10月、エーバルーンコンサルティング株式会社を設立。
代表取締役に就任。趣味はキックボクシング、バスケットボールで体を動かすこと。

[Corporate profile]

エーバルーンコンサルティング株式会社

2008年設立。ファッション業界において、数多くの方のキャリアアップを成功させている実績から、候補者の持つスキルや経験をふまえ、確かなコンサルティングを行っている。社名はAクラスの質の高いサービスでクライアントのニーズに応え、求人企業様及び候補者様のより一層大きな飛躍=Balloonをサポートすることを表現している。