Kaoru Matsui

Interviewer Back number Interviewer=Tomomi Watanabe text=Kazuyuki Koenuma photographs=Kenji Sakurai
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“大胆女子”がつかんだトップの座 「出会い」「対話」が育んだ自分流スタイル
※掲載のインタビュー記事は、ポーターズマガジンVol.17(2013年2月)から抜粋したのものです。
※会社名、所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。
その若さと対照的に、対峙すると不思議な落ち着きと安心感を覚えるトップコンサルタント・松井かおる。物柔らかな笑顔と口調が印象的だが、実は好奇心と積極性に溢れていることが、幾つものエピソードを通して伝わってきた。現在だけでなく、未来も見つめているかのような眼差しの奥に秘められた彼女の思いとは? コンサルタントとしての原点や、今後の目標についても深く迫った。

2度の大胆な決断を経てコンサルタントへ

 大胆という言葉を、インタビューが始まって早々、松井は口にした。しかも、2回も。
「昔から語学に興味があって、英語を勉強したいと考えたんです。駅前留学するよりは現地に行った方が早いと思って、仕事を辞めてワーキングホリデーでオーストラリアに行ったんです。振り返ると、無鉄砲な決断だったかもしれないですね」
 当時、三重県で製造業向けの大手派遣会社に勤めていた松井の、一回目の“大胆”は仕事を辞めての渡豪だった。滞在期間を一年と決めて、必ず英語を身に付けるという思いで語学勉強に励んだ松井は、その甲斐あってビジネスレベルの英語力を習得。帰国後は故郷でもある三重県を離れて上京し、再び人材ビジネスに着くべく就職活動を始めた。二回目の“大胆”はこのタイミングにあった。
「東京は世界でも経済の中心ですし、どうせ働くなら大きいマーケットの方がビジネスの醍醐味を味わえそうだと思い、三重を離れました。ただ、当時は09年で、リーマンショックが終わってすぐの厳しい時期。結果的には良かったですが、思い切った決断でしたね… 」
 松井が門を叩いたのはロバート・ウォルターズ・ジャパン。リーマンショック後の厳しい状況下であったが、内定を得ることができた。当時を振り返って松井は苦笑する。
「オーストラリアでは主に勉強をしていたので、世の中が大きく変わったことを体感できていませんでしたが、転職時に東京に来て初めて、世の中の経済が大変なことを肌身で感じました」
 入社後、松井は派遣・契約・紹介予定派遣紹介を扱うコントラクト部門に配属される。同期入社の社員はいなかったが、その分マネジメント層やディレクタークラスの先輩がマンツーマンで指導してくれる機会が多かった。松井の言葉を借りれば「マーケットは厳しい状況でしたが、ロバート・ウォルターズ流の親身になった指導があり、恵まれた環境と感じていた」という日々の中、彼女は2度目となるコンサルタントの道を歩み始めた。

人材ビジネスで必要な2つのスキル

 だが、松井はいきなり大きな失敗をした。紹介予定派遣の案件で、企業から内定を受けた候補者がいた。候補者は当時、正社員として就業中の方。彼女も企業に興味を持っていたが、松井は背中を押し切ることができず、結局クロージングには至らなかった。
「候補者は企業からカウンターオファーをいただいていたのですが、私はコンサルタントとして真意を突くようなフォローアップやコミュニケーションができておらず、実際は的外れな紹介をしていたことに後から気づきました。しかも、それまで担当していた派遣は、数日〜数週間で成約することが多いのに、そのときは約半年近くかかりましたが結果的に成立せず、落ち込みましたね」
だが、学んだことも多かったと松井は笑顔を見せる。
「雇用形態に関わらず、転職というのは大きな決断です。その重要さを再認識して自己啓発し、細やかなフォローアップスキルを上げていかないと、候補者の方に納得してもらえないことに気付きました」
 その後も失敗や成功を繰り返すうちに、コンサルタントとしての実績を積んでいった松井。元々現状に満足しない性格で、自己評価は常に厳しめ。謙虚さを常に持って、日々向上を心がけているストイックさも、彼女をトップコンサルタントに成長させていった。人材ビジネスで活躍するのに、大事なスキルは2つあると思います、と話す。
「一つ目は対人スキルです。どのように候補者やクライアントにアプローチをして、本音の話を引き出した上で、相手の心を動かせるか。日々仕事をする中で、同僚や先輩、後輩、上層部からそのスキルを学んでいくことが大事です。また社外でも、私の場合はネットワーキングイベントやセールスセミナーに参加して知り合いを作って、対人スキルを身に付けようとアクティブに行動しています」
 そして二つ目は、マーケットのトレンドを読み解くスキル。
「マーケットの動向は、新聞やテレビなどのメディアだけでは、マクロな視点からしか見られません。ですので、人に直接話を聞くことを大事にしています。例えば社内の同僚に聞いたり、社外では企業のCEOや役員・上層部の方々、またトップマネジメントの方々がご存知でないことをスタッフレベルからも話を聞いたりして、ミクロな視点から企業やマーケットを読むようにしています」
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松井かおる

松井かおる(まつい・かおる)

三重県出身。人に接する事が好きなのが高じ、人材業界へ入社。日系の製造業最大手人材派遣会社にて勤務後、1年間オーストラリアへ滞在。2008年、外資系大手人材紹介会社ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社へ入社。2012年より派遣・契約・紹介予定派遣を扱うコントラクト部門マネージャーとして、人事総務・秘書・セールス&マーケティング・各種アシスタントを中心にバイリンガルスペシャリストの派遣・転職支援を行う。現在、派遣契約への理解を深め更なるスキルアップを目指し、社労士試験に向け勉強中。趣味は、音楽鑑賞、旅行、カメラなど。

[Corporate profile]

ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社

1985年、ロバート・ウォルターズが英国ロンドンにて設立。その日本支社であるロバート・ウォルターズ・ジャパンは、2000年に東京にて設立。現在は、東京・大阪を拠点に、高い専門性に特化した正社員から派遣・契約・紹介予定派遣までバイリンガルスペシャリストの人材紹介を行っている。 グローバル企業をはじめ、投資銀行や中小企業、振興企業に至るまでの日本の主要企業に対し、優れた信頼と実績を築き上げてきた。