Akiko Sodeyama

Interviewer Back number Interviewer=Tomomi Watanabe photographs=Akihito Abe
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トップを走り続ける秘密はマジックのようなマッチング。
※掲載のインタビュー記事は、ポーターズマガジンVol.08(2010年11月)から抜粋したのものです。
※会社名、所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。
オフィスを離れ、インタビューは六本木のバーで行われた。このコーナー開始以来初の女性コンサルタントの登場ということもあり、袖山亜希子は見事なまでに誌面に彩りを与えてくれ、かつトップコンサルタントとしての方法論も惜しげもなく語ってくれた。

候補者の可能性を広げる“袖山マジック”

 ITエンジニア特化型の人材会社「アイム・ファクトリー」の取締役であり、コンサルタントとしても大活躍中の女性・袖山亜希子。その最もたるスキルは、何といってもマッチング力。一見、お互いの希望に沿わないような企業と候補者をマッチングさせたのにも関わらず、結果的に双方とも満足してしまうというマジックを何度も生み出してきた。
「エンジニアの方は自分の技術に誇りを持っている方がたくさんいる半面、アピール下手な方が多く今までの経験を客観的に伝える事に慣れていません。せっかく趣味で様々な開発をしているのにそれを伝え忘れてしまう、などなど。そこを上手にフォローしながら、そんな技術者としての可能性を企業に明確に伝えることが上手な会社だと思います」
 背筋をすっと伸ばした姿勢を崩さず、袖山は穏やかな笑みを称えて話す。
「例えば、御社が求めるレベルには少々達していませんが、人柄や性格が御社の風土にとても合っているエンジニアがいます。また上昇志向もあり、他のエンジニアとコミュニケーションを取りながらレベルアップできる人材なので、一度お会いしていただけませんか? という切り口で企業にご提案をする。そうすると人事の方は大抵会ってくださいますし、満足いただけることも多いですね」
 企業が求めるのが第一にスキルなのは当然だが、それを補ってでもマッチングさせたい「プラスアルファの何か」があれば即座に提案する。シンプルだが、袖山が生み出してきたマジックの種はそこにあった。
「エンジニアの方のスキルを図るときもそうです。こんなことが得意、こんなことを何年してきた…という求人票のデータも重要ですが、それだけで全てを判断して、企業に紹介するのでは良くないと思っています。ただの御用聞きになってしまい、エンジニア特化でやっている意味がないですよね。求人票や経歴書からは見えない部分を知り、エンジニアとしての可能性が広がるようなご提案を企業にすべきだと思います」
 その口調は丁寧だが力強い。エンジニア特化型の紹介コンサルタントとしての使命とプライドが滲み出ているようだった。

お金をいただいて人材紹介をするということ 

 袖山の人材業のキャリアは、エンジニアの業務支援を行っているベンチャー企業から始まった。当時はいわゆるITバブルの真っ只中で、常にエンジニアが不足している状況。正社員よりも高収入が望めるフリーでのエンジニアも数多くおり、袖山は彼らにプロジェクトを紹介するという業務を行っていた。
 元々IT業界のことはまるで分からなかったという袖山だが、業務を通してエンジニアに特化した人材コンサルタントとしてのスキルを身に付けていく。また同時期は人材業界が注目され始めた時期でもあり、人材を提供すればとにかく採用してもらえる、候補者の応募も絶えないというバブルのような状態が続くが、袖山は同時にあるジレンマも感じるようになっていた。
「人手が足りない企業にただ人材を紹介するという仕組みは、そもそもの人材紹介の意義ではないと感じるようになっていたんです。だったら企業はお金をかけてまで人材紹介に依頼しなくても、媒体を利用するだけでも良いのではないか? とか色々な疑問を感じていました」
そう感じていたのは袖山だけではなかった。同じ企業で働いていた彼女の上司・久利可奈恵(現アイム・ファクトリー代表取締役)も、全く同じ疑問を抱いていたのだ。二人は2008年の7月、前職での経験を活かしてエンジニアに特化した紹介会社アイム・ファクトリーを立ち上げた。前の会社は分業型だったが、RA視点とCA視点の両方を持てるようにと、一気通貫型を基本としてサービスを開始する。
「人事の方とリレーションを取って、企業とエンジニアの橋渡しをしようと。同じエンジニアでも、経歴書だけでは分からない色々なポテンシャルを持った方がたくさんいますし、そういうプラスアルファの部分で人材をご提案できてこそ、エンジニアの可能性が広がると思っています。それがお金をいただいて人材紹介をするということなのだと考えています」
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袖山亜希子

袖山亜希子(そでやま・あきこ)

アイム・ファクトリー株式会社 取締役
モバイルコンテンツ企業にて、ITエンジニア特化型の人材ビジネスに立ち上げメンバーとして参加。その後上場を経験し、ITエンジニア専門の中途採用支援・エンジニア支援サービスのアイム・ファクトリーを久利(現・同社代表)と共に立ち上げる。IT業界のレイヤー層を理解し、ネット業界、モバイル業界に強いキャリアアドバイザーとしての評価が高い。

[Corporate profile]

アイム・ファクトリー株式会社

2008年7月設立。「エンジニア」をキーワードにソリューションを展開する人材会社。人材を「人財」と考え、企業にとっては技術開発のベストパートナー、人財にとっては信頼できる生涯のコンサルタントとして、意志を持って最高の出会いを創出。企業の創造、成長、変革をよりスピーディに成し遂げるための人材採用と定着をトータルにサポートしている。